1月17日(水)から大丸東京店で始まる「tagboat ART SHOW」では、
4名のアーティストがタグボートの展示に初登場。
今回の特集では、こちらの4名の作家をご紹介いたします。どうぞご期待ください!
新埜 康平 Kohei Arano
東京生まれ。東京を拠点に活動し、展覧会などを中心に参加している。ストリートカルチャーや映画の影響を受け、仮名の人物や情景、日々の生活に根差した等身大のイメージをモチーフに制作。余白やタギング(文字)の画面構成等、様々な絵画的要素を取り入れ、日本画×ストリートをテーマに掲げている。
【展示】
2020年 個展 [暦~skit~] Art Space kimura ASK?P
2021年 個展 [祈-rewrite-] Gallery ART POINT
2021年 個展 [SILENT FILM] Gallery b.tokyo
2021年 グループ展 [3331 ART FAIR] アーツ千代田3331
2022年 個展 [Kohei Arano Solo Exhibition] Gallery And links81
【受賞】
2020年 第16回 世界絵画大賞展 サムトレーディング賞(協賛社賞) 受賞
2021年 第39回 上野の森美術館大賞展 入選
2021年 第17回 世界絵画大賞展 ミューズ賞(協賛社賞) 受賞
2021年 第56回 神奈川県美術展 入選
2021年 3331 ART FAIR コレクター・プライズ 授与
2022年 Independent Tokyo 2022 審査員特別賞(大和克巳 賞)受賞
2022年 第1回 Idemitsu Art Award(旧シェル美術賞) 入選
2023年 Independent Tokyo 2023審査員特別賞(小山登美夫 賞)受賞
2023年 metasequoia 2023 笹貫 淳子賞 受賞
日本画×ストリートがミックスされた作品の魅力をぜひ会場でお楽しみください。
CONCEPT
VHSがDVDに変わる頃、ワゴンセールで買い漁ったレンタル落ちのVHSの中にあったガス・ヴァン・サントやテリー・ギリアム、ジム・ジャームッシュなどの90’s映画の影響を受けた。絵画空間の中に枠をもって切り取られた普遍的な日常は、映画や漫画の3コマ目のような存在である。そこには前後のシーンがあり、映画や漫画、アニメのコンテのようにストーリーが潜んでいる。
──新埜康平
東京の下町に育った新埜は、街に多く見られたウォールアートやスケートボード、HIPHOPといったストリートカルチャーに興味を持ち、単独で行ったL.Aの体験を通してさらにその関心を強めてきました。街の壁に残された文字やアスファルトを滑る音、HIPHOPのサンプリングは、その街の歴史や空気を伝える一つのサインであると新埜は考えます。
街や人という社会を構成するものの視点をサンプリング(再構成)して描かれるのは生活に根差した等身大の風景です。しかしながらその画面は映画のワンシーンのように色鮮やかで爽やかさがあり、観る者に新たな印象を与えることに成功しています。
画面の下に書いてあるタギング(文字)は、正面からだと読むことはできません。作品を下から見上げるような角度で眺めるとそれは文字として機能し、作品のタイトルを表していることが分かります。日常的なモチーフがサンプリングされた視点で描かれるとその表情を変えるように、鑑賞者も様々な角度で作品を観ることで新たな一面を捉えることができるような仕掛けが施されています。
基本画材として使用されるのは意外にも古典的な日本画材である膠や和紙、胡粉などの顔料です。和紙の上に墨や胡粉と言われる牡蠣やホタテの貝殻をすりつぶしたもの、鉱石を砕いたもの、それらの素材の特異性を活かして着彩されています。
出展予定作品(一部)
小松 良明 Yoshiaki Komatsu
1983年生まれ、横浜市在住。横浜美術短期大学を修了後に制作活動を開始。2023年「Independent Tokyo 2023」でタグボート特別賞、審査員特別賞(石井信賞、小暮ともこ賞)をトリプル受賞した。
近年の展示に、個展「REMODELING」(8/ATELIER、2020年)、グループ展「MONSTER Exhibition 2023」(8/COURT、2023年)などがある。
【近年の展示歴】
◎個展
2020 年 「REMODELING」渋谷ヒカリエ 8/ATELIER(東京)
◎グループ展
2023 年 「MONSTER Exhibition 2023」渋谷ヒカリエ 8/COURT(東京)
「Independent Tokyo 2023」 東京ポートシティ竹芝(東京)
「DELIRIUM vol.4」渋谷ヒカリエ 8/CUBE(東京)
2022 年 「MONSTER Exhibition in Paris」Gallery Grand E’ terna(パリ)
「MONSTER Exhibition 2022」渋谷ヒカリエ 8/COURT(東京)
「MONSTER Exhibition 2021」渋谷ヒカリエ 8/COURT(東京)
2021 年 「DELIRIUM vol.3」渋谷ヒカリエ 8/CUBE(東京)
2020 年 「DELIRIUM vol.2」渋谷ヒカリエ 8/CUBE(東京)
「MONSTER Exhibition 2020」渋谷ヒカリエ8/COURT(東京)
「Fragments 2020」GALLERY ART POINT(東京)
CONCEPT
今回展示する作品のコンセプトは「ヒーローとモンスターの関係性」。「ヒーローとはモンスターが存在することで価値や行動の意義を見出し、ヒーローたりえるのではないだろうか」という考えからモンスターのパーツで像を構成している。
──小松良明
小松良明は現代のプロダクトに囲まれた日常生活に新たな視点を生み出し、これまでに見たことのないような景色を他者と共有するために活動しています。作家は、プロダクトが持つ造形やブランドや歴史、コンテンツに着目し、異なるプロダクトを解体してそこに思考を組み込みながら再構築するという制作手法をとっています。
今回「tagboat ART SHOW」に出展する作品のコンセプトは、ヒーローとモンスター。かつて特撮作品で活躍したモンスターたちのソフトビニール人形をバラバラに解体し、それら一片一片を繋げ組み合わせることで1体のヒーローを形作ります。モンスターが存在し、そして彼らを倒すべくヒーローが存在し、ヒーローはヒーローたりえる。そのような相互補完的な対比構造は、よく目を凝らしてみると私たちの日常のあらゆるところに潜んでいます。光があるから影が生まれるのではなく、影があるからこそ光は光として際立ち、認識される。作品を観ながら、あらゆる存在同士の関係性に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
会場では是非作品に近づいてじっくりと観てみてください。どこかにあなたの知っているモンスターが隠れているかもしれません。
出展予定作品(一部)
髙橋 瑠璃 Ruri Takahashi
1998年東京都生まれ。2020年に女子美術大学を卒業後、2023年東京藝術大学大学院彫刻専攻を修了。人間の個人的な行動や考え方に興味を持ち、自身が面白いと感じた人や事柄をテーマの石彫を制作している。
主な展示歴に個展「私の知らない長い時間」(Gallery TK2、2021年)、個展「今だけの2人」(ギャラリーカフェ3、2023年)などがある。2023年には「アートアワードトーキョー丸の内2023」で建畠晢賞を受賞。
【展示歴】
2020年 2人展「FuRuI展」
2021年 個展「私のしらない長い時間」
2023年 修了制作展「気になる人の気になるところ」
2023年 個展「今だけの2人」
【受賞歴】
2023年 アートアワードトーキョー丸の内2023 審査員建畠晢賞受賞
CONCEPT
人は知らない人と出会い色々な事を考えながら生活をしていて、出会った知らない人達も自分と同じように色々な事を考えていると思っています。
作品を観る人それぞれが持つ蓄積された思考や記憶によって、私とは違う何かを思い出してもらえる作品になることを願いながら石を彫っています。──髙橋瑠璃
髙橋瑠璃が彫り出す彫刻は柔らかく穏やかな雰囲気を纏います。石の色味も相まって、まるで温かくもどこか切ない黄昏の陽射しを浴びているかのよう。モチーフは人のようで、人ではないようで、でもやはり人のようで。そっと伏せられた瞳の奥で何を考えているのか、想像欲がくすぐられます。
また彫り跡も大きな魅力の一つ。作家が石と向き合いながらひと彫りひと彫り削り出した石の表面は、緩やかな凹凸が目を引きます。その一つ一つを作家の手の痕跡を辿るように丹念に見ていくと、作家が自身のどのような記憶を思い返しながら形作っているのかと考えが膨らみます。
今回「tagboat ART SHOW」では、置き型の石彫作品の他に壁掛けの小型の石彫作品を出展予定です。どうぞ会場で石と彫りのあたたかみを感じてください。
出展予定作品(一部)
Matthew Mallow マシューマロー
CONCEPT
便利になっていくことは素晴らしいと思います。ですがそれと同じくらい「人間味」が失われつつある様に感じています。人間らしく生きること、不便すらも愛おしく思えるように慎ましく生きて行きたい、そんなメッセージをコンセプトとしてマスキングテープ等は使わずシンプルに筆と絵の具で作品を制作しています。
──Matthew Mallow
Matthew Mallowはキャラクターデザインを盗まれた経験をもとに、コピーアンドペースト、トレース、盗作などが誰でも簡単に行える便利な現代社会へのアンチテーゼを唱えています。彼の作品には動物をモチーフとしたオリジナルキャラクターが同じ表情で画面に溢れかえっており、均一化したそれらはまるでデジタルプリントで出力されたようです。
しかしながら近くによって見つめてみると、そこにはわずかな線のブレ、太さの違いがあります。それらが確かに手書きで複製されたものであることを示すその少しのエラーこそに人間らしさを見て取ることができるのです。
作家は特に輪郭線に拘って制作しているといいます。輪郭、すなわち体は「生と死を分ける線」であり単に色と色を分ける線ではないと捉えることで、画面のなかで輪郭をなぞられるキャラクターは生の状態であり、いずれ魂になって世へ溶け出すまでの生きていく事をテーマに個々の作品を展開している、と語ります。
出展予定作品(一部)
tagboat ART SHOW
開催時間
2024年1月17日(水) ~ 23日(火) 午前10時~午後8時
※1月17日(水)のみ1階は午前10時オープン、11階は午後5時オープンとなります。
※1月17日(水)は11階催事場にお入りいただけるのはご招待のお客様のみとなります。
1階はオープンスペースのため、どなたでもご入場いただけます。
※最終日は1階は午後8時閉場、11階は午後5時閉場となります。
会場
大丸東京店 1階イベントスペース・11階催事場 ※東京駅八重洲北口 直結
作品のご購入方法
●会場でのご購入方法
作品が決定されましたら、作品名・価格が記載されたキャプションの1枚目を取り、お会計場までお持ちください。「売約済み」と記載されたキャプションをお持ちになっても作品のご購入はできませんのでご了承ください。
●オンラインでのご購入方法
オンライン販売は1月17日(水)午後9時より開始いたします。
作品の購入はイベント特設サイトの各作家サムネイル画像から商品ページへお進みください。
※オンライン販売は1階・11階展示作品全て同時に開始いたします。
※出品作品は会場でも展示・販売しております。会場とオンラインでの購入が同時となった場合は、会場の購入を優先させていただく場合がございます。何卒ご了承ください。
出展作家一覧
●1Fイベントスペース
AKIKO KONDO/石川美奈子/今関絵美/大谷太郎/岡村一輝/北村環/タルタロス/深澤雄太
●11F 催事場
AKIKO KONDO/ayaka nakamura/Matthew Mallow/秋山あいれ/新埜康平/有村佳奈/池伊田リュウ/石川美奈子/市川詩
織/今関絵美/海岸和輝/瑛音/大谷太郎/大山貴弘/岡村一輝/小木曽ウェイツ恭子/鴨下容子/北村環/木村美帆/工藤千紘/
小池正典/小松良明/コムロヨウスケ/佐藤しな/鈴木ひょっとこ/雀尺/髙橋瑠璃/田村久美子/タルタロス/月乃カエル/都
築まゆ美/富田貴智/友成哲郎/ナカムラトヲル/西川美穂/額賀苑子/林恭子/ヒョーゴコーイチ/深澤雄太/フルフォード
素馨/三塚新司/柳田有希子/山口典子
—————–
※AKIKO KONDO/石川美奈子/今関絵美/海岸和輝/大谷太郎/岡村一輝/北村環/タルタロス/深澤雄太、の計9名の作家は、1階と11階の両会場に作品を展示いたします。